舌先から散弾銃

ただの日記です

日記まとめ2(明滅とモテ/アンパンマンのマーチが染みる/ミスに厳しいあすちゃんと恩を売る人)

・大昔に書いたそれなりに評価された小説の締め括りに「星は星であって、星座にされるのは鬱陶しそう」と記した。私は、暗い中でささやかに明滅する光、「星」のことが好き。星同士を勝手にくっつけて「ああ見える」「こう見える」とこねくり回す「星座」のことは昔から少しだけ苦手。なんで突然、星の話をし始めたかって言うと、この間取材した美術家に「僕を見つけてくれてありがとうね」と言われ、感極まってしまったって話がしたい。そう!私たちは誰かに見つけてもらうために煌き続けなくてはならないし、誰かのささやかな光の明滅を見つけなければならない。

・しこたま飲んだ日に、小沢健二の新譜2曲を親友自宅床に寝そべりながら初めて聞いた。今の私が、今の小沢健二をすこし警戒してしまうのは「見つけてくれてありがとう」から「僕を見つけて!!」になったからなんだなーと思った。今の私にはあまりにも明滅が激しくて、チカチカして直視できない。当然だけど激しく光ればその分、見つけてもらえると思う。でもそれはちょっと。私は、誰か見つけてくれないかと待ち望みながら緩やかに明滅している星を指差して「綺麗だね」「素敵だね」って言いたいし、私自身もささやかに光り続けていたい。それでいつか君と僕とは出会うから!見つけてもらえるのを待ってるわ。

・超尊敬している&大好きな大学のゼミ先生から、「特別講師として90分授業をやってくれないか」という話をいただいた。4時間にも及ぶ授業準備のための""""打ち合わせ””””は、お互い言いはしないが「仕事の打ち合わせだったら4時間会って話すのだって許されるでしょ」と思っていたと思う。飢えてた〜!!超楽しかった。で、4時間の打ち合わせ中まじで100回くらい「モテたい」って言った。モテたい!と言う気持ちは見つけてくれないかな〜と思いながら緩やかに明滅する星と同じじゃん!と、なんだか妙に繋がってスッキリした。その日の帰り道、アンパンマンのマーチを聞きながら歩いて帰った。

時は早くすぎる
光る星は消える
だから君はいくんだ
ほほえんで

・はじめてと言って良いレベルで仕事でちょう悲しいことが起きた。その愚痴を会社唯一の同い年ラブリー(入社時期が早いので先輩だけど)に話した。ラブリーに「『これはアカン』を地道に言ってくしかないんだよな」と慰められ、最近「これはアカン」という言葉にハマってる。続けて「今は古堅なんかワーワー言ってんなーくらいかもしれないけど(それは普通に辛いが)、ダメだと思う人が少なくとも1人以上いる限りは意味のある行動だよ!!!」と言われて本当にありがたかった。仕事を通して友達を見つける旅路の最中に出会った、マジで心強いパートナー。私の明滅見つけてもらえました。ありがたや。あんたはおれにとってのアンパンマン

・人事面談があった。上長からあまりにも愛のある評価シートを渡され感極まってしまった。ここでの愛とは「すっごくすっごく、ちゃんとみてくれていたんだな」と思えたことを指します。見守ってくれてたのよ、ささやかに。私の明滅見つけてもらえました、パート2。ありがたや。あんたたちははおれにとってのアンパンマン

・うまく言えないんだけど、「本当に評価しているなら金額で示してよ!」ということも思わんでもないが、お金のことを考えるとさもしい気持ちになるし、今は「楽しいで仕事をしていていい時期だよな」と思っている。楽しそうにしている私は素敵だし、大好きだから。

・古堅家から絶縁されて1年経った。仕事で新姓を使っているんだけど、古堅家の人間が私の名前を調べた時に痕跡を残しておきたくてマジで嫌味のように全ての記事に自分の名前を魚拓してる。呪いのつもりで魚拓してたんだけど、最近ちょっと自分が古堅であることが好きになってきた。仕事スイッチのような役割も果たしていて、便利だったりする。谷口の方の私はあんまり仕事には向いてない。バカ酒飲むし、アホなこと大好きだし、戦闘民族すぎるから。それはそれで保っていたいと思うけど。

 「あすかちゃんに謝りたい」と言っているらしいが、謝罪は本人の納得のためでどっちらけ〜と言う感じでコロナを理由にまだあってない。呪いは続く…。

 

・最近好きなお店のおばちゃんさかえさんは、間違いなくADHDだと思う。なんでそう思うかと言うと、まじでずーーーっと喋ってる。お店はもちろん煩雑としている。カウンター(自分のテリトリー)にモノを置かれることを嫌う(「ここに置かないで!!!」って言う)。料理の途中でコープのお兄さんが来たら「今ハマっているポテチをみんなに配りたい!」とか言って配ってる最中に料理を焦がす。ほんと、さかえさんの為人だけで成り立っている店だと思う。「おばちゃん、珈琲忘れてるよ」「泡盛は左の棚」とかお客さんが外付けハードディスクとなっている店。酒を飲みながら「さかえさんというおばちゃんを主人公にした舞台」を見ている気にもなるし、気がづいたら自分も出演していたりもする。この間、初めてやっくんと行ったら秒で「俺の脳内だ…」と言っていてウケた。終電が近づいてきてお会計をしようと私が「(リソースを割いてパニックにならないように)お手隙でお会計を…」ともじもじしていたらやっくんが「終電があるのでお会計してください」とはっきりお願いをしていて腰を抜かした。おいおい、そんなお願いの仕方なんでしたのだねと聞いたら「『お手隙』が自分で作れたら苦労しないよ!」と言われて納得してしまった。更に「さかえさんの中で"終電"というワードは自動的に1番優先度が高くなるワードっぽかった」とのこと。奴はこういうところがある。

・やっくんはよく「俺の生存戦略は人に恩を売り続けること」という。仕事で「できれば来てください」みたいな催しは行くし、「できれば変わって欲しい仕事があるんですけど」とか言われたら驚愕の速さで引き受ける。私は「嫌ならやめればいいじゃん!」「そんなの損じゃない!」とブーブー喚く。さっぱり意味がわからなかった。

・ここ1年くらいずっと考えているテーマ「優しくなるしかなかった人」。付き合いたての頃、やっくんに「あすちゃんはミスに厳しい」と言われてガーーンとなった。あの日から5年くらいたち、多分「優しくなるしかなかった人たち」は「何でそんなこともできないの?」って言われ続けて来たんだろうな、ってことがわかって来た。「なんでそんなことも出来ないの?」って言われないように、恩を売ったり、言われたとしても「仕方ないね」って言ってもらえるために血眼で優しくなったんだと思う。優しくなることで自分が傷つかないように。昔の私を知る親友に「アスは本当に丸くなったよね」と言われたけど、私は優しくなったわけでも、丸くなったわけでもなくて「優しくなるしかなかった人たち」のことをちゃんと直視することができるようになっただけなんだと思う。いままでごめんね。

 ・家から新井薬師南インドカレー屋に歩いて行った。新井薬師は私にとってそれなりに歴史のある街で、歩きながら「純度100%自分自身の人生だったはずなのに突然純度100%の他人が介入してきて、自分にとってまあまあ重要な部分を共有してる状況がたまにおかしくなるよねー」って話したら「あすちゃんが職場に来るのも変感じだよ、だってあの職場は俺が中学生、高校生過ごしたところなわけだから」と言われてそりゃそうだ!と思った。結婚生活は変、まじで。うまくいえないけど。

・先月の日曜日。自転車に乗っていたやっくんが、大きい道路の交差点ど真ん中に携帯をに落とした。信号が変わる直前だったので拾うこともできず、ひとまずやっくんは横断歩道を渡る。信号が青になって、携帯が落ちている交差点を祈るように見続けた。最初の3台くらいは奇跡的に携帯の上を走らずにいたんだけど、4台目ついに車に携帯を踏まれた。そのあとはオーバーキル。申し訳ないが全ての状況がおかしくて私は笑いを堪えるのに必死。やっくんは頭を抱えて半泣きで叫んだり「最悪だ」とかいってたから、ここで笑ったら本当にダメだと思って本当に本当に我慢した。もちろん携帯は御臨終。冷静さを取り戻したやっくんに「車3台平気だった時、もしかしたらいけるかもと思ったけど、踏まれた瞬間スローモーションだったわ」と言われてついに我慢できなくなって大笑いしてしまった。帰りに宝くじを買って帰った。

日記まとめ

・好きなアーティストのDVDが出た。友人が気を利かせてくれて好きなアーティストのDVD制作のお手伝いを超間接的にした。クレジットに名前のるかな〜とか超私らしい期待をしたり、自慢して回りたいなーとか思ってたけど実際発売されるとそうでもなかった。好きアーティストは好きだけど憧れではなくまじでただの好きな人になってたってことなのかな。なんなら好きな友人の1人くらいに思ってる。し、それくらいでいいんだなと思う。DVDも結局買わなかった。

 

・好きな俳優と仕事がしたい。好きな俳優と一緒に仕事をするためにそれありきの連載企画を立ち上げて、今せっせと準備中。好きな俳優と会ったときのことばかりを考えて、「好きです」が一番端的に強力に伝わる一言は何かを考え続けてる。でも、思い出した。好意を伝えようという強すぎる気持ちは厄介で、まもなく執着に変化し、いずれ腐って膿む。「認知」とかもおそらくその類。おれが自分で「おれは男を見る目がない」とよくいうのは翻って、好きの伝え方が下手くそということ。私は愛の人間なのですが、愛も好意なんですよね。でも愛は恋ではない。温もりでもない。愛はビームなのよ。一直線で勢いがあって、下手すりゃ相手の体に穴があく。その調整を私も含めて全員しろって話なわけ。水鉄砲だけではなく、バブルガンも撃てるようにしましょうねって話。撃つなら本気で撃って相打ちで死にましょう。ハリーポッターとヴォルデモートの杖みたいに繋がっちゃうような呪文を同時に撃ちましょうって話。愛は動詞。好きな俳優には私、シャボン玉をうちたいな。かわいいし、すぐ消えて無くなるし。

 

・今の職場で働いてから1年が経った。契約更新を迎え、色々褒められたりもした。「地頭がめちゃくちゃいいと思う。それで相手がぽかんとしてしまうこともままあるのでは」なんてことも言われた。それはおれの問題か?と思いつつも、要は「相性がいい奴はいいが、そうじゃない奴にはもっとわかりやすく言え」ってことを優しく言ってくれたのだと思う。戦争は続く。最近のテーマは弱点特攻。戦争である。

 

・膿みの話。今は編集もやるけど自由演技で記事も書く。これはひさびさに卒論をかいてるようでたのしかったし、これはかなり私の思想が出てる。webのいいところは私の書いた記事を私が書いたとは知らずに読んだ人がいいとか悪いとか言ってるのを見れるところだと思う。それでずいぶん救われる(ほんとに)。紙の日記は毎日書く。仕事でも毎日書く。書くことは膿みを出す行為。粉瘤を潰す。絵を描くことをサウナに入るような瞬発力がある。汗がどっとでる。

 

・still lifeのことをずっと考えてる。still lifeとは日本語で静物画。直訳だと「まだ生活」「もっと生活」。静物画のモチーフは大抵マグカップやお花など。生活を彷彿とさせるものがほとんどで、机の上に山積みにされた片付けられてないお皿とか結構その人の生活が滲み出るものも多い。私が一番好きな静物画は、黄色い机に花瓶が2つ、その後ろに描きかけの「ダンス」が見えるマティスの絵。当たりまえっちゃ当たり前だけど、生活を切り取ると静物画で、生活は切り取りの余地があるくらい長い。たまにある瞬間が煌めいて人は写真を撮ったり絵を描いたり歌ったり踊ったりする。

 

・今年は写真とか文章とか絵とかまとめてどかっと何かしらの形でどこかしらでどうにかしたいなーと考える。去年から続けている1ヶ月に1回の写真投稿を見直しながら「特別編は余計だよバーカ」と思ってその一言を消した。

3月作品群(日記付き)

 今回の写真は、全部違う人が撮影しています。撮影してくれた東長崎に住む老若男女の皆さん、本当にありがとうございました。

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年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず』

 この禅語は高校3年生の担任が、卒業式に黒板に書いた言葉。「僕は学校の校門にたどり着くまでの桜道を歩くこの季節、毎年この禅語を思い出します。毎年毎年桜は咲くけど、毎年毎年その桜をそばで一緒に見る人は違う。来年は皆さん、誰とどこで桜を見てるんでしょうね。僕からは以上です、卒業おめでとう」。なんてことを言われた。それ以来、私も桜を見るたびにこの冷酷さと慈しみに溢れたこの禅語を思い出す。

  それからしばらくして、毎年必ず一緒に桜を見ている人がいることに気が付く。禅語が骨の髄まで染み込んだ私は「いつかは変わるかもな〜」とかも思ったりもする。私たちは桜が咲く季節にほとんど国際恋愛のようなとんでもない遠距離恋愛をはじめ、2年後の桜が満開になる季節に同棲を始めた。東京の家賃の高さに辟易としながら物件を探していた私たちは、東長崎という街に辿り着く。私は学生時代をその一駅先の江古田駅に実家から2時間かけて通っていたから「今更かよ〜〜〜!」なんて思ったりもしたけど、今住んでいる家の扉をやっくんが開けた瞬間「うわ〜!ここしかない」と半泣きで騒ぐもんだから嬉しくなって、住むことに決めた。内見が終わった後に入ったサッポロ赤星を出す居酒屋は今でもよく行く。築約30年の2DK家賃10万円のお城は先日、契約更新をした。この街の好きなところ。都内がどこでも近いこと、友達が徒歩圏内に住んでいること、犬が幸せそうに散歩しているところ、子供が公園ではしゃいでいるところ、よく喋る美味しい中華を作るおじちゃんがいること、江戸前寿司を握るおばちゃんがいること、お豆腐屋さんのおばちゃんががんもどきをおまけしてくれること、美容師を引退したおじちゃんがやってるなんちゃって1000円カットがあるところ、外国にルーツがある人がすみやすそうにしている(ように見えているだけかもだけど)ところなど。なんだか知らないけど私たちはこの街ととても相性がいい。この街に住み始めて2年。結婚して2年目。当然だけどこの街にも桜が咲く。

 結婚式も延期。前撮りもなんとなく延期。そろそろ2年前に3万円で買った白いドレスが泣きそうなので、消毒液片手に桜が咲ききった東長崎の街を練り歩いた。通りすがる怪訝な顔した老若男女に「消毒液もあるので、もしお時間あれば一枚だけ私たちの写真をこのスマホで撮ってくれませんか」というお願いをして歩いた。東長崎に住むやっくんの中高の同級生にも撮ってもらった。同じく、東長崎に住む私の友人と その娘で次女(7才)にも撮ってもらった。彼女は、小沢健二魔法的ツアー告知の渋谷クアトロ前で、整理券がなく指を加えながら「何かあるかも」と棒立ちしている私の隣で、赤ちゃん(当時の次女!月日の流れ!)を前に抱えながら同じく棒立ちしていたお姉さん。当時私は大学生で、彼女の家と学校が近いこともあって長い時間をかけて緩やかに、でも確実に距離を縮め、めでたく(?)私が東長崎住人になったことでご近所さんになった。一人っ子で自分の話をするのがどうも下手くそな私にとって、とても頼れる優しきおねいさん。住み慣れ始めた街に咲く桜と私たちを、私たちより長く住む先輩たちに写真を撮ってもらうこと。私はやっぱり人間が好きだよ。

 

以下よくいただく質問

「明日香さんたちは喧嘩とかしないんですか?」するに決まっているだろ!!
「結婚生活どう?」名前が変わる以外大きな変化はない。私は仕事では新姓使っていて、これが結構便利。芸名のようで、仕事スイッチにもなる。 

「結婚って何?」結婚はおまじない。
「相手はどういう人がいいのか」
・顔/理由:顔が良ければ許せることが多い(ごめんな)。好きな顔だとなお許せる
・目の前でおならができる人/理由:辛いじゃん
・優しくない人/理由:優しい人はみんなに優しいよ。それでもいいなら優しい人が良いに決まっている。

 

テーマソング「最高の別れ!/工藤裕次郎


【LIVE】最高の別れ ! / 工藤祐次郎

 

手をつないで歩く2人は 最高の別れに向かっている
明日、台風が来るんだってさ
今はこんなに静かで好い夜だね
いつか忘れることは知っている
涼しい風に髪を乾かしながら
石畳を通りぬける藍色の町 どこまでも歩いてゆける

楽しかろうなぁ寂しかろうなぁ
なぜか悲しい なぜか嬉しい
たかがドレミの組み合わせに泣いたり笑ったり
手をつないだ2人は 歌っていた
泣けるほど綺麗な夜を歌った
風が吹けば飛ばされそうな心ふたつ
月明かりの空を 高く楽しく飛んでゆけよ
踊るように歩いてゆく

手をつないで歩く2人は 最高の別れに向かっている
選んだわけじゃないけどその時は来るみたいだ
最高の笑顔で終わらせてやる
何もなくてごめんな 寂しくなるつもりじゃなかった
海を見に行こうよ
36.7℃の微熱 風にころがる心
泣きながら歩いてゆく